12th man in the haddle

シアトル・シーホークスを応援するブログ

2021年01月

・OC決まる 
 ショッテンハイマーと袂を分かったOCにLARのパスゲームコーディネーターのウォルドロンが内定しました。2009年にNEでクォリティコントロールコーチ兼TEコーチとしてコーチ業をスタート。その後WASに移籍し、そこでショーン・マクヴェイと出会います。2016年にマクヴェイとともにLARに移籍するとQBコーチとパスゲームコーディネーターとしてチームを支えてきました。

 現在のLARのオフェンスといえばランとPAブーツレッグを組み合わせた現代版ウェストコーストオフェンスといえます。基本は90年代にマイク・シャナハンとゲイリー・キュービアックが完成させたアウトサイドゾーンと裏にあたるブーツレッグからのPAパス。ここにWRのジェットスウィープとスクリーンパスを絡めるのが現在のNFLで猛威を振るうマクヴェイ、ラフルーア、リルシャニーのオフェンススキームとなっています。ウォルドロンもこの系譜を受け継ぐコーチである可能性が極めて高いのです。
 
 極めて高いという表現なのは彼がOC職が初めてのことでありプロ、カレッジを問わずプレーコールを担当することも初めてであるということ。つまり開幕戦になってみないとどのようなオフェンスを展開するのか誰にも断言できないという状態なのです。それでも十中八九、師であるマクヴェイと同じスキームであることは疑いようがないのですが。
 
 これで来季のオフェンスの展望が見えてきました。ショッテンハイマーがフィールドの奥へ向かう縦のオフェンスだったのに対してウォルドロンは外へのランとブーツレッグを使った横へのオフェンスを展開することになるでしょう。ラッセル・ウィルソンはポケット外へロールアウトすることが増え、ランニングスローで短~中距離へのパスが多くなります。WRは奥に走りこむのではなくフィールドを横切るクロッシングルートやフック系のルートを要求され、TEへのパスも増えることになるでしょう。RBはパワーよりもスピードで外側に捲れる走力が求められ、OLも同様に横に動ける機動力が必須となります。少ないキャップスペースとドラフト指名権という限られたリソースでどれだけウォルドロンをサポートできるのか、ピート・キャロルとシュナイダーの力量が試されるオフシーズンとなりそうです。




試合内容はハイライトに任す

 さて、 シーズン中の大型トレードを敢行し今シーズンにオールインしたシーホークスは無残にもプレーオフ1回戦で消えることになったわけですが、すでにチームは大鉈を払い始めております。

・OCブライアン ショッテンハイマー解雇
 というわけでショッティは敢えなくファイアーされました。2018年にランオフェンス再建のキーパーソンとして招聘され、最初の2試合でパス比率7割を超えて2連敗という逆噴射からはじまり、その後はランに頼ったオフェンスで当初の目標だった地上戦の復活は見事に果たしたものの最後はLet Russ Cookと共に散っていった形に。OCの交代はキャロル政権になってから4年ぶり3回目で報道では後任のOC候補と接触した形跡はまだありません。

・GMジョン シュナイダーと契約延長
 一転こちらはポジティブな話題。残り一年となっていたJSとの契約延長が締結されました。一部ではDETが破格の待遇で引き抜きを狙っているとニュースが流れたものの無事に契約する運びに。これで何も起こらなければHCキャロル、GMシュナイダー、QBウィルソンの現体制が少なくとも2025年まで続くことになります。

・今季最後の記者会見を読み解く
 ここからはシーズン最後のHCピート・キャロル(以下PC)が行う記者会見から来季のチーム構想を予想します。まず一つ目はオフェンスの方向性について。ショッティ解雇となった直接の原因はシーズン総括会議でのフィロソフィーの違いに起因する方向性のズレがわかったためと会見で発表しました。また「ランをもっと効果的に使わなくてはならない。ファンがパスに期待してることは知ってるがそれでもやらなくてはならない」とハッキリ釘をさしました。
 そして二つ目はCとLGの補強について。ポシック、ユパティがそれぞれUFAとなるタイミングであり若返りとよりパワーのあるランブロッカーが求められるところ。PCも会見で特にLGについて触れていました。
 三つ目はDLについて。UFAとなるメヨワとの契約を結びたいと発言がありました。またRFA,ERFAとなるフォード、モネとの再契約もしたいところです。DEではダンラップが来季まで契約下にあるものの契約延長交渉を今のうちに行う可能性があります。いずれにしろ現メンバーから大きく変わるということはなく、FAになる選手を呼び戻すことに注力しそうです。

 この他に主力選手でFAになるのはRBカーソン、WRムーア、LBライト、CBシャキールあたり。来季のキャップスペースがどの辺りの額になるのかは現時点では何も発表がありませんが、コロナの影響もあり額が増えることは絶望的な状況なのは間違い無く、今季と同程度であればこの4人のうち少なくとも3人はFAとして放出することになります。また来季終了後に契約延長を控えているのはWRロケット、LTブラウン、SSアダムスに上述したDEダンラップなど主力中の主力たちが含まれるため8月のトレーニングキャンプまでに何人かとは早めに契約交渉に着手する必要があります。
 そしてドラフトではアダムス獲得に費やした1巡指名権がなく全体でも4つ(2巡、4巡、5巡、6巡)しかありませんのであまり大きな期待ができないという事情があります。こうした状況の中で新OCを迎えてオフェンスの再構築を進めなくてはなりません。2021シーズンがどうなるのか、その船出はかなり厳しい見通しとなっています。
 

シーズン3度目となる同地区LARとのワイルドカードプレーオフをプレビューします。

 前回のweek16では4Qに連続TDを決めて勝利を手繰り寄せた試合となりました。ここではその4Qからこれはと思ったプレーを解説して、明日の試合のゲームプランに使えるのではないかという形でプレビューしたいと思います。

 まず第一段はインサイドゾーンのラン。ここにジェットモーションを加えたプレーです。week16の4Q残り6:47秒(1st&10)。WR3枚を入れた11パーソネルで、スロットに入っていたタイラーがジェットモーションで左へ。これに釣られたLB#41が外を警戒した所にカーソンのインサイドへのランをぶつけて一発でFD。タイラーに食いついてくれたこともありブロッカー6枚に対して相手はボックスに5枚しかいない状況を作りました。ランではこの形を基本にして相手ILBを動かしていきたいです。またここから単純にWRのジェットスウィープやフェイクからのPAパスも使えますのでオフェンスの幅が広がりそうです。
 2つ目は4Q残り6:05秒(1st&10)でのPAパス。DKとタイラーを左サイドでスタックさせてからディープポストにDKを走らせてDB二枚をつってタイラーのコーナールートががら空きになったプレーです。DKとタイラーの二人を同一サイドに配置して相手のゾーンを崩すプレーはシーズン通してほとんど使ってこなかったのでPOからはこのようなプレーが増えてくるとラッセルとしてもミドルパスが通しやすくなるのではないでしょうか。

 ディフェンスは前回と同じようなゲームプランで問題ないと思われます。特にPAブーツレッグに対してレシーバーへのカバーを優先してスクリメージラインを超えるまでQBに向かわない守備原則を採用したのが効果的でした。ただ次の対戦では足が速いウォルフォードを先発に使ってくる可能性もあるので、そうなると彼のスクランブル対策を講じなければならなくなるかもしれません。また前回欠場したRBエイカーズにも注意しなければなりません。大学時代はカレッジ最弱ともいわれたOLの下でも1000yd走った選手ですので、彼の個人技には警戒しなくてはならないでしょう。



 SF相手にシーズンスウィープと第一シードが貰えるかもしれない一戦は接戦となりました。
・最後に答えを見つけたオフェンス。折れなかったディフェンス
 この試合では3Q終わりまでオフェンスのTD0だったわけですが、4Q1本目のTDドライブでようやくオフェンスが期待に応えてくれました。内容としてはキチンとランプレーを出すこと、そしてPAパスを例えセイフティバルブへのダンプオフでもしっかり通すことの二つをやり遂げたことが大きかったです。それまでのドライブはドロップバックからの短いパスは通るものの、肝心のロングパスは通らず相手のフロント7にランも効果的ではなく、そうこうしてるうちにドロップや反則で手詰まりになっていました。3rdダウンで長い距離を残さずにしっかり最初の2回のダウンでゲインを奪うことが中々やらせてもらえませんでしたが、前述の2つをやることでSFを攻略することができました。逆転となるドライブでもショットガンからのインサイドゾーンを多く使いながら前進してゴール前で粘る相手ディフェンスを4thギャンブルで仕留め切りました。
 守備陣は多くの時間帯でハーフライン近辺で止められてました。が、流石にTEキトルを完全に抑え切ることは出来ずロングゲインを許す場面が後半になってから見られるようになりました。それでもここぞの場面でQBサックを決め、結果的に最後はサックファンブルからTOを奪いトドメのTDへと繋がりました。最終週の4Qで攻守が噛み合ったのはPOに向けて明るい材料になったと思います。


 

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