・OC決まる 
 ショッテンハイマーと袂を分かったOCにLARのパスゲームコーディネーターのウォルドロンが内定しました。2009年にNEでクォリティコントロールコーチ兼TEコーチとしてコーチ業をスタート。その後WASに移籍し、そこでショーン・マクヴェイと出会います。2016年にマクヴェイとともにLARに移籍するとQBコーチとパスゲームコーディネーターとしてチームを支えてきました。

 現在のLARのオフェンスといえばランとPAブーツレッグを組み合わせた現代版ウェストコーストオフェンスといえます。基本は90年代にマイク・シャナハンとゲイリー・キュービアックが完成させたアウトサイドゾーンと裏にあたるブーツレッグからのPAパス。ここにWRのジェットスウィープとスクリーンパスを絡めるのが現在のNFLで猛威を振るうマクヴェイ、ラフルーア、リルシャニーのオフェンススキームとなっています。ウォルドロンもこの系譜を受け継ぐコーチである可能性が極めて高いのです。
 
 極めて高いという表現なのは彼がOC職が初めてのことでありプロ、カレッジを問わずプレーコールを担当することも初めてであるということ。つまり開幕戦になってみないとどのようなオフェンスを展開するのか誰にも断言できないという状態なのです。それでも十中八九、師であるマクヴェイと同じスキームであることは疑いようがないのですが。
 
 これで来季のオフェンスの展望が見えてきました。ショッテンハイマーがフィールドの奥へ向かう縦のオフェンスだったのに対してウォルドロンは外へのランとブーツレッグを使った横へのオフェンスを展開することになるでしょう。ラッセル・ウィルソンはポケット外へロールアウトすることが増え、ランニングスローで短~中距離へのパスが多くなります。WRは奥に走りこむのではなくフィールドを横切るクロッシングルートやフック系のルートを要求され、TEへのパスも増えることになるでしょう。RBはパワーよりもスピードで外側に捲れる走力が求められ、OLも同様に横に動ける機動力が必須となります。少ないキャップスペースとドラフト指名権という限られたリソースでどれだけウォルドロンをサポートできるのか、ピート・キャロルとシュナイダーの力量が試されるオフシーズンとなりそうです。