1巡27位 Jordyn Brooks ILB Texas Tech
まさかの1巡ステイ、からのLB指名。ニーズ度外視のBPA指名だったとシュナイダーは会見で語ってましたがファン全員が度肝を抜かれた指名でした。
ブルックスは3年生までOLB、4年生でILBにコンバートされ 11試合出場、108TKL 20.0TFL 3.0sk(成績は最終年のみ)と大暴れしました。プレースタイルはとにかく前に突っ込んでいくギャンブラー。40時4.5秒台と並のRBより速い脚を活かしたクロージングスピードでランプレーやスクリーンを潰すのが大得意。またQBスパイでも積極的に使われており、ポケット外にエスケープしてきたQBをサイドラインまで追いかけ回すスタミナがあります。現代のQBにはスランブル能力の高い選手が多く、NFLでもラマー・ジャクソンのようなデザインされたQBランを多用するオフェンスは今後も増えるでしょうからそれに対応できる人材を早めに確保したとも見て取れます。パスカバーに関しては平凡であり、中央を守ることが求められるILBにとってゾーンカバーにおけるカバー範囲の広さは一流LBにとってマストです。この分野での成長を期待したいですね。
一方でシーホークスにはワグナー、ライトの最高級ILBコンビが鎮座しています。この2人に割って入っていけるほどの能力は現時点のブルックスにはないでしょう。ただワグナーもライトも30才を超えて肉体的に下降線をいつ辿り始めてもおかしくない年齢になりました。 1年ブルックスを寝かせて来年以降、本格的なデビューを狙うシナリオを首脳陣は描いているのかもしれません。コロナ事態により練習が確実に削減されることもじっくり腰を据えた育成に向けては寧ろ良いという側面もあります。
2巡47位 Darrell Taylor DE Tennessee
クイックネスと長い腕が特徴のスピードラッシャー。テネシー大で4年間先発。2年生まではDE、その後はOLBをこなし、最後の2年は連続10サック以上をマーク。最大の特徴はパスラッシュムーブのバラエティ。単純な外一辺倒ではなくインサイドムーブからブルラッシュで押し込んだりスウィムでブロックを外すなどスピードとパワーのハーモニーが秀逸です。
2巡までスリップした最大の理由は怪我です。一月に腓骨の疲労骨折の手術を行った影響でコンバイン等のワークアウトは全てキャンセル。また手術の経過もコロナの影響でほぼ全チーム不明だったことからリスク回避のため指名されませんでした。しかしシーホークスはリーグからの選手との接触禁止令が出る前にテイラーと面会し、スタッフが手術経過を確認していたためリスクはないと判断。1巡での指名も考えたようですが、2巡上位にトレードアップできる算段がついたのもあり2日目の指名となったようです。
キャロルHCはテイラーを「LEOとして考えている」と評価。9Tはこれでアービン、メヨワと合わせて3人となりパスラッシュシチュエーションではこの3人+グリーン、LJの5人でローテーションを組むことになるでしょう。
3巡69位 ダミアン・ルイス OG LSU
全米チャンピオンLSU不動のRG。6-2と大柄ではないですがランではパワフルなブロックで走路を切り開き、パスプロでは細かい足捌きと腕力で相手を抑え込みます。最後の2年間で1089回のパスプロの内許したサック5回、ハリー13回とソリッドな成績を残しました。
当面はRGの現先発フルーカーの後釜を狙うことになるでしょう。フルーカーの契約は今年一杯のため遅くとも来季にはルイスにスイッチすることになりそうです。またLGは先日再契約したユパティがいるものの昨年のパフォーマンス、特にパスプロは良くなかったのでもしかするとLGの先発にルイスが抜擢されるかもしれません。ルイス自身もC/G問わず左右どこでもやるとコメントしておりキャンプでのポジションバトルに注目していきたいです。
4巡 コルビー・パーキンソン TE スタンフォード
身長6-7(201cm)を誇る巨人TE。その主な活躍はレシービングTEとして。in-lineにセットすることよりもスロットレシーバーや大外のフランカーやスプリットエンドにアラインしてダウンフィールドに繰り出していくことが多く、WR顔負けのソフトハンドと相まってRZでのメインターゲットになりました。3年時にブレイク、しかし昨年はQBが怪我で入れ替わりが激しかったこともあり本来のTDマシーンになりきれませんでした。ランブロックは平凡ですのであと10パウンドほど増量したほうがいいかもしれません。
機動力は3コーンドリル7.15秒と身長の割に細かく動けるのが特徴。40ydは4.7秒台なので短いルートが主になりながらRZ付近でジャンプボールをどれだけ取れるかがカギになりそうです。
4巡 ディージェイ・ダラス RB マイアミ
2年連続マイアミ大からの指名。アームタックルを振り解くパワーとそこそこの直線スピードが特徴です。カーソン以外いなかったパワーバックの加入となります。
ダラスはハイスクールまでQBをやってたので、マイアミ大ではワイルドキャット体型からQBの位置でランプレーをこなした経験があります。またレシーブも上手く、スクリーンパスからのRACでもロングゲインを度々見せています。
とはいえ大エースであったわけではありません。シーズンでも四年時のラン693yd8TDどまりなのでローテーションを組んで併用するのが一番良いでしょう。またプレー面でもカットバックの鋭さは並以下ですのでアンクルブレイクは期待できません。
5巡 アルトン・ロビンソン DE シラキュース
ショートシャトル4.32秒と今年のコンバインで2番目に速かったスピードラッシャー。
264lbsとDEとしてしっかりとした体重もあり、スピードでバランスを崩させれば一気にOTを押し込むこともできます。
しかし逆にいえばスピードに掛けている分、対応された場合のカウンタームーブが乏しく抑え込まれやすいのも事実。3年時2桁サックを記録したものの4年時には激減したことがその証明になっています。また腕が短めであるため、NFLクラスのOT相手では更に抑え込まれやすいかもしれません。
6巡 フレディ・スウェイン WR フロリダ
40yd4.4秒台の快速WR。リターナーとしても驚異になれるトップスピードの持ち主でスクリーンパスからのRACも大得意。しかし競り合いに弱く、ボディキャッチに頼るため捕球範囲も広くない。またルートランニングも荒くレシーバーとしては1年じっくり育成するべきです。
兎に角最初はリターナーとして期待したいですね。
7巡 ステファン・サリバン WR LSU
LSUの秘密兵器。2年時までWR、3年時にTEにコンバート。出番が少ないため簡単な感想になりますがRAC能力が高く背も高いためサイドライン際でのキャッチも得意。シーホークスはWRとして獲得したとのことで取り敢えず1年育成でしょう。
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